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一般就労への入口! 就労継続支援B型
更新日:2022年3月15日

前回は利用率が伸びている障がい者施設について、どんな施設があるかご案内しました。
今回はその中で通所施設として利用率が非常に伸びている就労継続支援B型を取り上げます。
目次
・就労継続支援B型の概要
・就労継続支援B型の建物設備基準
・就労継続支援B型の売上
・就労継続支援B型ではどんな作業をしているか
・施設の差別化が必要
・開設の注意点
・今回のまとめ
就労継続支援B型の概要
就労継続支援施設は一般雇用されるには難しい方が、または、不安を感じる方が一般就労を目指していく就労支援のサービスです。
就労継続支援の中でもA型は雇用契約を結びますが、B型は雇用契約を結ばなくても利用できる違いがあります。
施設運営において就労継続支援B型は利用者との雇用契約が不要なので、参入するハードルが下がり、A型より開設しやすいです。そのためか契約者比ではB型はA型の3倍以上もある状況です。
仕事としては内職的な軽作業や販売業が多く、簡単な清掃や農作業などもあります。
定員は一般的に20名の施設が多いですが、1日当たり最大人数のことなので、実際は週に2、3日しか働かない方もいることを考えると、20名定員の施設なら契約者数はもっと多くする必要があります。
就労継続支援B型の建物設備基準
就労継続支援B型の各諸室の面積基準はありません。
必要諸室は下記の通りです。
① 訓練・作業室:3㎡/人が目安。20名定員なら60㎡ほど必要
② トイレ:利用者の特性に応じたもの
③ 洗面所:手指を洗浄する設備を備えること。障がい者の使用する設備び飲用に供する水に衛生上必要な措置を講じる
④ 相談室:談話の漏洩を防ぐための間仕切り等を設ける
⑤ 多目的室:利用者の食事や談話するためのスペース。利用者の支援に支障がなければ、相談室との兼用可
就労継続支援B型の売上
就労継続支援A型、B型事業の売上げは下記のように計算されます。
施設を利用者×人数分×利用頻度×給付単価(給付金は国から90%+利用者負担10%)=売上げ
そして、利用する障がい者は、その施設の仕事で得られた収入を就業時間で按分したものを工賃として受け取ります。
雇用契約があるA型は、最低賃金を保証して各種保険(健康保険、雇用、労災等)の整備がありますが、B型は工賃として労働の対価をもらいますが、作業としては容易なものが多く、最低賃金がない点が異なります。

就労継続支援B型ではどんな作業をしているか
具体的に現在B型ではこんな事業活動をしているところがあります。
以前は農作業や梱包作業、清掃などの軽作業などが主流でしたが、最近はスイーツ製造・販売、パンの製造・販売、水耕栽培、メダカの育成・販売、ハンドメイドの雑貨制作・販売などの軽作業など、複雑でない仕事で魅力的な内容の仕事が増えてきました。
施設の差別化が必要
増えてきている就労継続支援B型は、新たに開設する場合にほかの施設との差別化をしないと、利用者の定着が難しくなり、魅力的な施設をつくりあげることが大切です。
利用者は興味を引く仕事や、職員の対応などソフト部分だけでなく、建物の立地や使い勝手、しつらえなどハードの部分もしっかりと押さえていく必要があります。
施設っぽい建物ではなく、スイーツやパンを販売するのであれば、来客を意識した店舗らしい店構えや、働く障がい者の動線計画が適切か?危険性がない建物か?なども検討を重ねたほうが良いでしょう。
また、新築でなくテナントで入居して行う場合も考えられますが、建築基準法や消防法に合致する必要と、条件に合った物件さがしの労力、開設までの家賃などをふまえると、あまりおすすめ出来ません。
いずれにしても、就労継続支援B型を計画するには、専門的知識や経験のある設計事務所に相談したほうが良いです。
開設の注意点
就労継続支援B型を開設するにあたっては注意点があります。
・著しく増加している地域は、それ以上施設を増やせない総量規制がかかっているエリアがあるの
で地域の担当窓口に確認が必要です。
・必要職員であるサービス管理責任者(サビ管)の有資格者が不足しているので確保が困難。
・事業内容によっては障がい福祉事業以外に、営業許可(食品営業許可など)が必要となる場合がある。
今回のまとめ
・就労継続支援B型は障がい者増加とともに利用率が増え、今後も需要が見込める。
・就労継続支援B型は増加しているので、競合する他のB型と差別化を図る。
・B型が増加している地域では総量規制により開設できない場合がある。