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特定建築物 定期報告で見落とされがちな是正事項とは?

  • 執筆者の写真: estyleishii
    estyleishii
  • 2024年3月21日
  • 読了時間: 7分

更新日:2 日前

定期報告 特定建築物調査 外壁打診調査

特定建築物定期報告で調査を行ってみると建物の老朽化で、チェックを受けた是正事項で、所有者、管理者の方が意外と気がついていないものがあります。


今回は、特定建築物の定期報告で、気が付かないうちに是正になっていた事例をあわせてご紹介します。


目次



  屋上面の劣化及び損傷の状況


屋上は最も過酷な環境にありながら、日常的に人が出入りしないため、不具合が「末期症状」になるまで放置されやすい場所です。


① 防水層の亀裂と「謎の雨漏り」


屋上防水(シート防水や塗膜防水)の寿命は、一般的に10年〜15年程度です。


  • 見落とし事例: 排水ドレーン(飲み込み口)周辺の防水層の破れ。ドレーン周りは熱収縮の影響を受けやすく、最も亀裂が入りやすい箇所です。


  • 建築士の視点: 2階建てのRC造物件で、2階ではなく「1階」で雨漏りが発生した事例がありました。

    これは屋上の亀裂から侵入した雨水が、コンクリート内部の継ぎ目や配管を伝って階下へ流れたためです。雨漏りは発生箇所と浸入箇所が一致しないことが多いため、定期報告での早期発見が修繕コストを抑える唯一の手段です。


② 「屋上の樹木」というサイレント・キラー


屋上に生える植物を「少し緑があるくらいなら」と楽観視してはいけません。


  • 原因: 鳥の糞に含まれる種子や、風で運ばれたアカメガシワなどの成長が早い樹木が発芽します。


  • 深刻なリスク: 樹木の根は「植物の力」を侮るなかれ、強固なコンクリートや防水層を突き破るほどの圧力を持ちます。これを「植物根による防水層の貫通」と呼びます。一度根が張ると、引き抜くだけで防水層に致命的な穴が開くため、全面改修が必要になるケースも少なくありません。

屋上に繁茂する植物


















  窓・ガラスの固定状況:頭上からの「凶器」に変わるリスク


はめ殺し窓 ガラスの割れ

窓ガラスの不具合は、地震や強風時に「地上への落下事故」に直結するため、調査員が最も厳格にチェックする項目の一つです。


① はめ殺し窓(FIX窓)の「死角」にある割れ


はめ殺し窓とは、開閉できない固定された窓です。

  • 見落とし事例: エレベーターホールの高所や、避難階段の踊り場など、普段誰も立ち止まらない場所のガラス割れ。


  • 発生原因: 近年の激甚化する台風による飛来物の衝突や、建物の微細な歪みによる熱割れ(温度差による膨張・収縮)が原因です。

    高所のガラス割れは、下から見上げても反射で見えにくく、定期報告の近接目視や双眼鏡による調査で初めて発覚することがほとんどです。


② シーリング材の硬化と脱落


ガラスを固定しているゴム状のシーリング材は、経年劣化により硬化することがあります。

硬くなったシーリング材は、地震や強風時の振動を十分に吸収できず、ガラスのズレや、場合によっては脱落につながるおそれがあります。



  外壁の劣化・損傷:建築士が警戒する「爆裂(ばくれつ)」の恐怖


外壁は屋上の次に経年劣化が早く、かつ歩行者への被害リスクが最も高い箇所です。


① コンクリートの「爆裂」事象


最上階の軒先やひさしの裏側など、視界を遮る場所に多く見られます。

  • メカニズム: コンクリートに微細なひび割れ(クラック)が発生し、そこから雨水が浸入。中の鉄筋が錆びると、体積が数倍に膨張します。その内圧に耐えきれなくなったコンクリートが、内側から押し出されて剥落する現象を「爆裂」と言います。


  • 構造的リスク: RC造(鉄筋コンクリート造)は、「圧縮に強いコンクリート」と「引張に強い鉄筋」が一体となって強度を保ちます。鉄筋が露出・腐食している状態は、建物の強度が著しく低下しているサインであり、放置は許されません。

外壁の爆裂










 

② タイルの浮きと打診調査(10年ごとの全面調査義務)

特定建築物定期報告では、竣工から10年を経過した最初の報告時、およびその後の10年ごとに、外壁の「全面打診調査」が義務付けられています(※歩行者等に危害を及ぼすおそれのある箇所)。

打診棒やテストハンマーで叩いた際の「音の変化」で、タイルが浮いているかどうかを判定します。一枚のタイルが剥がれ落ちるだけで、重大な人身事故に繋がるため、是正勧告後の対応は急務となります。



  なぜ「定期報告」が所有者にとってのメリットになるのか?


「是正を指摘されるのが嫌だ」と感じる方もいるかもしれません。しかし、建築士事務所の立場から言えば、定期報告はオーナー様を守るための「建物の健康診断」です。


① 損害賠償リスクの回避

万が一、外壁やガラスが落下して通行人が負傷した場合、所有者(占有者)には「工作物責任(民法717条)」が発生します。これは無過失責任に近く、非常に重い責任です。

定期報告を行い、適切に維持管理をしていれば、このリスクを最小限に抑えることができます。


② 修繕費用の「早期発見・早期治療」

爆裂や防水の亀裂も、規模にもよりますが、初期段階であれば「部分補修」で済み、費用は数万円〜数十万円で収まります。

しかし、放置して構造体まで腐食が進めば、数千万円単位の「大規模修繕」を前倒しで行わなければならなくなります。


   是正を指摘された後の「正しい改修ステップ」

定期報告で「要是正(不備)」の判定を受けた場合、以下のステップで対応します。


  1. 優先順位の整理: 全てを一度に直す予算がない場合、「人命に関わる高所(外壁・ガラス等)」から優先的に着手します。


  2. 適切な補修工法の選定:

    • 爆裂補修: 錆びた鉄筋を露出させ、防錆処理を施した上、樹脂モルタル等で成型します。

    • 防水補修: 全面改修が難しい場合は、破れた箇所のみを補強する「部分シール・増し貼り」などの応急処置も検討可能です。


  3. 改善報告書の提出: 修繕が完了したら、特定行政庁(自治体)へ「改善報告書」を提出し、指摘事項をクローズします。



  まとめ:特定建築物定期報告を「価値」に変える

今回の事例でご紹介した通り、オーナー様・管理者様が「異常なし」と思っていても、プロの調査では深刻な不具合が見つかることが多々あります。

特定建築物定期報告は、単なる法的義務ではなく、不特定多数の利用者の安全を確保し、大切な資産価値を守るための必須アクションです。


私たちは、単に不備を見つけるだけでなく、設計事務所の知見を活かし、「どう直せば安く、安全に建物を長持ちさせられるか」というコンサルティング視点での調査を行っております。

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