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【2026最新】防火設備定期検査ガイド|改正ポイントと種類を解説

  • 執筆者の写真: estyleishii
    estyleishii
  • 2023年6月28日
  • 読了時間: 6分

更新日:1月23日

防火シャッターの防火設備検査

「防火設備の点検通知が届いたが、建築設備定期検査とは何が違うのか?」「是正を指摘されたが、どう対応すべきか?」 平成28年の法改正以降、防火設備は独立した検査項目となり、その重要性は年々高まっています。


本記事では、防火設備の種類から最新の検査実務、コストを抑えるポイントまで徹底解説します。

目次



防火設備定期検査制度の成り立ちと目的


悲劇を繰り返さないための法改正

防火設備定期検査が独立した制度としてスタートしたのは、平成28年6月の建築基準法改正によります。その背景には、平成25年に福岡市で発生した有床診療所火災をはじめ、防火設備(防火扉やシャッター)が正常に作動しなかったために、煙や火炎が広がり、多くの尊い命が失われた事故があります。

これまでは「特定建築物定期調査」の一部として扱われてきましたが、現在は「防火設備」という独立したカテゴリーで、より専門的かつ厳格な検査(毎年報告)が義務付けられています。


定期報告における「建物調査」との違い

よくある質問に「特定建築物定期調査でも防火扉を見ているのでは?」というものがあります。

  • 特定建築物定期調査: 主に「常時閉鎖式(常に閉まっている扉)」の設置状況を確認します。※

  • 防火設備定期検査: 感知器と連動して動く「随時閉鎖式(シャッターや連動扉)」の動作確認・予備電源確認をメインに行います。


※令和7年(2025年)7月施行の告示改正に伴う注意点

告示改正により、法令上は「常時閉鎖式防火戸」も防火設備定期検査に含まれることになりました。

しかし、東京都や神奈川県、横浜市管轄などの実務運用では、引き続き「特定建築物定期調査」の報告枠で対応する方針が取られています。

このように、地域によって「どの報告書に記載するか」が異なるため、自治体ごとの最新ルールを熟知した専門家への相談が不可欠です。



検査対象となる防火設備 4つの詳細解説


防火設備には大きく分けて4つの種類があります。それぞれの構造と、検査時に建築士がどこを見ているのかを詳しく解説します。

① 防火扉(随時閉鎖式)

通常は開放されていますが、火災時に感知器からの信号や熱によって自動的に閉じる扉です。


  • 仕組み: 火災感知器からの信号を受けて「ラッチ(保持装置)」が外れるタイプや、温度ヒューズが熱で溶けて閉鎖するタイプがあります。

  • 検査のポイント:

    • 扉の周囲に、閉鎖を妨げる荷物やマットなど障害物が置かれていないか(非常に多い指摘事項です)

    • 扉や枠に歪み、錆、ダメージがなく、閉鎖速度が基準値(運動エネルギー10J以下)で確実に閉鎖できるか。

  • 予備電源の確認: 停電時でも感知器からの信号を受け取り、確実に作動するかバッテリー容量をチェックします。


② 防火シャッター

防火区画(火を閉じ込めるエリア)を形成するために、天井から降りてくる重量シャッターです。


  • 危害防止装置(重要): 平成17年12月の法改正により、シャッター下部に人が挟まれる事故を防ぐ「危害防止装置」の設置が義務化されました。障害物を検知すると一時停止し、一定時間後に再閉鎖する仕組みです。

  • 検査のポイント:

    • 駆動装置(開閉機・スプロケット・チェーン)の劣化や損傷。

    • シャッターが降りるレールの中に障害物がないか。

    • 閉鎖速度が基準値(運動エネルギー10J以下)に収まっているか(速すぎる衝突時の衝撃が大きく危険なため)


③ 耐火クロススクリーン

エレベーター前などに設置される、ガラスクロス製の遮煙カーテンです。


  • 仕組み: 竪穴区画(階段やエレベーターシャフト)を通じた煙の拡散を防ぎます。

  • 背景: 平成14年の改正で、エレベーター乗り場に遮煙機能が求められるようになったため導入されましたが、近年はエレベーター扉そのものに遮煙機能がある「遮煙扉」に代わりつつあります。

  • 検査のポイント:

    • スクリーン生地に破れ、穴あきがないか。

    • ガイドレールからスクリーンが外れておらず、隙間なく閉鎖できるか。


④ ドレンチャー

建物の外周部や軒先に設置され、水のスクリーンを作って外部からの延焼を防ぐ装置です。


  • 仕組み: スプリンクラーと異なり「消火」ではなく「遮熱・遮炎」が目的です。開放弁を操作するか感知器連動で一斉放水します。

  • 検査のポイント:

    • 放水ヘッドの詰まり、腐食の有無。

    • ポンプ、貯水槽の水量、呼水槽の状況。

実際に放水試験を行えない場合が多いため、制御盤や弁の動作確認を重点的に行う。


作動作業中の耐火クロススクリーン



















防火設備検査の方法と「要是正」への対応


検査は、以下の5つの観点で行われます。

  • 設置状況確認: そもそも適切な場所に、適切な性能の設備があるか。

  • 外観確認: 錆、変形、破損、周囲の障害物の有無。

  • 作動確認(本番点検): 実際に感知器を作動させ、連動して閉鎖し、閉まる際に人に危険を及ぼさないか。

  • 予備電源点検: 停電を想定し、内蔵バッテリーのみで作動するか。

  • 是正提案: 是正事項があった際、どう修繕すべきかの助言。

 

「要是正」と言われたらどうする?

多くの場合、扉の閉鎖速度調整やバッテリー交換で済みますが、古いシャッターなどは開閉機ごとの交換を迫られることがあります。


設計事務所の強み: 弊社はメーカー系メンテナンス会社ではないため、特定の部品交換を強要することはありません。建築主の利益を守る立場から「法的に是正するために最小限必要な修繕は何か」を中立的な立場でアドバイスします。


検査周期と報告のルール


  • 周期: 毎年(各年度ごと)に1回。

  • タイミング: 前回の報告から6ヶ月〜1年程度の間隔を空けます。

  • 提出先:

    • 神奈川県: 神奈川県建築安全協会、横浜市(建築局)、川崎市(まちづくり局)など

    • 東京都: 東京都防災まちづくりセンター



  まとめ:防火設備は建物の「最後の砦」です


火災時に防火シャッターが1枚降りないだけで、煙は一気に全館に広がり、命の危険を招きます。防火設備定期検査は、単なる事務手続きではなく、「いざという時に人を守れる建物か」を証明する大切なプロセスです。

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