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【建築基準法】定期報告でのCO2濃度測定とは?換気設備の基準と改善方法を解説

  • 執筆者の写真: estyleishii
    estyleishii
  • 2022年11月14日
  • 読了時間: 5分

更新日:1月22日


CO2濃度チェッカー

ご覧の計測器はなんだかお判りでしょうか?


よく見たらわかりますが、これはCO2、そう二酸化炭素濃度を測る機械です。

朝出勤したばかりに、私の机周辺でCO2を計測した写真になります。


「オフィスで午後になると眠くなる」「会議室の空気がよどんでいる気がする」 実はその原因、建築基準法に基づく定期報告(12条点検)でチェックされる「CO2濃度(二酸化炭素濃度)」にあるかもしれません。

本記事では、一級建築士事務所の視点から、定期報告における換気設備検査の重要性と、CO2濃度が建物評価や作業効率に与える影響について詳しく解説します。

目次


  定期報告(建築設備検査)でなぜCO2濃度を測るのか?

建築基準法第12条に基づく定期報告の「建築設備検査」では、換気設備の状況を確認することが義務付けられています。

その中でも特に重要なのが、「無窓の居室(むそうのきょしつ)」における空気環境の測定です。


「無窓の居室」とは何か

文字通り、窓がない部屋のことだけを指すのではありません。建築基準法上では、「換気に有効な開口部(窓など)の面積が、床面積の20分の1未満の部屋」を指します。


  • 地下室、奥まった会議室、パーティションで区切られた小部屋

  • 窓はあるが、構造上または法的に「換気用」としてカウントできない部屋


これらの部屋は、機械換気(換気扇)に100%依存して新鮮な空気を取り入れる必要があるため、定期報告で厳格なチェックが行われます。



  基準値「1,000ppm」の意味と、それを超えたときのリスク基準値を超えるとどうなる?


定期報告の測定基準値は1,000ppm以下と定められています。この数値は、人間が健康かつ快適に過ごせる「空気の鮮度」のボーダーラインです。

1,000ppmを超えるとどうなるか?(実体験からの分析)


弊社の一級建築士が、実際に測定器を使用して身の回りの数値を計測してみました。


  • 事務所(出勤時):約600ppm 人がいない時間は換気が十分に行き届いており、非常にクリアな環境です。集中力も維持しやすい状態です。


  • 事務所(締め切って数時間作業):1,100ppm〜 明らかに「眠気」や「集中力の低下」を感じ始めます。これは脳に供給される酸素濃度が実質的に低下し、二酸化炭素の排出が追いついていないサインです。


  • 家庭のキッチン(調理後):1,402ppm ガスコンロを使用すると、大量のCO2が発生します。換気扇を回していても、給気口(外気を取り入れる口)が閉じていると、空気の循環が止まり、これほど高い数値になってしまいます。


[プロのアドバイス] 「なんとなく空気が重い」という感覚は、気のせいではありません。1,000ppmを超える環境での作業は、生産性を最大15%〜20%低下させるという研究結果もあります。


CO2濃度チェッカー 規定値越えの表示

  定期報告でチェックされる「換気設備」のポイント定期


報告の検査では、単にCO2濃度を測るだけでなく、以下のいずれかの方法で「空気が入れ替わっているか」を判定します。


  1. CO2濃度測定: 実際に部屋の空気の状態を計測する。

  2. 風量測定: 換気扇が規定の風量(㎥/h)を吸い込んでいるかを風速計で計測する。


検査で「要是正(NG)」になりやすい原因


  • フィルター・吸込口のホコリ詰まり: 最も多い原因です。ホコリが溜まるとファンの能力が半減します。


  • 給気不足(負圧状態): 出口(換気扇)は動いていても、入り口(給気口)が閉じているケースです。これでは空気は入れ替わりません。


  • ベルトの摩耗・故障: 大規模なビル等の場合、ファンを回すベルトが伸びていて、回転数が落ちていることがあります。


換気扇吸込口のホコリ詰まり



















  建物評価を高める「空気環境」の改善ステップ


定期報告で「適合」を維持し、建物の資産価値を高めるためには、以下のセルフチェックが有効です。


① 定期的な清掃の徹底

換気扇のカバーやフィルターに付着したホコリは、こまめに除去してください。これだけでCO2濃度が劇的に改善されることがあります。


② 給気ルートの確保

換気扇を回すときは、必ず対角線上にある給気口や窓をわずかに開けるなど、「空気の通り道」を意識してください。


③ 専門家による「適正風量」の診断

「換気扇は回っているのに、空気がよどむ」という場合は、部屋の人数に対して換気扇の能力が不足している(設計ミスの可能性も含む)場合があります。一級建築士事務所である弊社では、法的な適合性だけでなく、実効的な換気設計のアドバイスも可能です。


  まとめ:定期報告は「健康と効率」を守るための健康診断


定期報告(12条点検)を単なる「義務」や「コスト」と捉えるのはもったいないことです。 

CO2濃度の測定を通じて、「そこで働く人の健康を守り、生産性を最大化できているか」をチェックする絶好の機会です。


「事務所の空気が悪い気がする」「定期報告で換気の指摘を受けたがどう直せばいいかわからない」というオーナー様、管理者様。

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