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こども園・保育園・幼稚園|働きやすさと安全を両立する「ゾーニング」の秘訣

  • 執筆者の写真: estyleishii
    estyleishii
  • 2024年3月12日
  • 読了時間: 5分

更新日:2月12日

保育園 

認定こども園や保育園の設計において、間取り以上に重要視されているのが「ゾーニング」です。

ゾーニングとは、園舎内の各スペースを機能や活動内容、あるいは「誰が使うか」という視点に基づいて、適切に配置・区分けする計画手法を指します。


このゾーニングが曖昧だと、子どもたちの活動がぶつかり合って事故のリスクが高まったり、職員の移動距離が伸びて疲弊を招いたり、外部からの不審者侵入を許すセキュリティの隙が生まれたりします。

一方で、緻密に練られたゾーニングは、職員の労働環境を劇的に改善し、子どもたちに静と動のメリハリある生活を提供します。

本コラムでは、失敗しない園舎設計のゾーニングのポイントを解説します。

目次


「動」と「静」を分ける|子どもたちの情緒を安定させる空間構成


子どもたちが元気いっぱいに走り回る「活動エリア」と、心穏やかに過ごす「静かなエリア」を物理的に分けることは、園舎設計の基本中の基本です。


① 集中力と休息を守るゾーニング

  • 活動エリア(動): 遊戯室、ホール、元気な遊びを中心とする保育室。これらは開放的で、多少の音が出ても問題ない場所に配置します。


  • 静かなエリア(静): お昼寝スペース、読書コーナー、落ち着いて食事をするスペース。これらは活動エリアから距離を置き、遮音・吸音に配慮した設計が求められます。

    異なる活動をゾーンで分けることで、子どもたちは自然と気持ちの切り替え(スイッチ)ができるようになり、情緒の安定に繋がります。


② 見守りやすさの追求

ゾーニングによって活動範囲が明確になれば、職員の「見守りの目」も分散しません。

少人数のスタッフで子どもたちを安全に管理するためには、死角を作らないシンプルなゾーン構成が、園舎設計に求められる高度な技術です。


認定こども園 ランチルーム








公共エリアとスタッフエリアの明確化|プライバシーと信頼の両立


認定こども園・保育園・幼稚園の設計では、「誰が入って良い場所か」を視覚的・物理的に明確にする必要があります。


① 職員の「リフレッシュ権」を守る

職員用の休憩室や事務室、更衣室、トイレなどは、一般の来園者や子どもたちの視線が届かない「スタッフ専用ゾーン」として完全に分けるべきです。


  • 物理的なゾーニング: 休憩中に子どもたちの声から一時的に離れられる場所を確保することは、職員のメンタルヘルスを守り、結果として離職防止に貢献します。


② セキュリティの確保

保護者や来客が立ち入る「公共ゾーン」と、子どもたちが生活する「保育ゾーン」、そして「スタッフ専用ゾーン」。

この3つが混ざり合わないゾーニングを園舎設計に取り入れることで、部外者の迷い込みを防ぎ、安全性を担保します。


入園・退園エリアのスムーズな流れ|混雑と事故を防ぐ設計


朝の受け入れや夕方のお迎え時は、園舎が最も混雑し、事故が発生しやすい時間帯です。


① 玄関周辺の機能分散

  • 受付と受け渡しの分離: 事務的な手続きを行う場所と、子どもを預け・受け取る場所をゾーンとして分けることで、人の滞留を防ぎます。


  • 一時的な荷物置き場の確保: 保護者がスムーズに移動できるよう、ベビーカー置き場やバッグの一時保管場所を、動線を邪魔しない専用ゾーンとして組み込みます。


② 見通しの良い開放的な設計

設計事務所として私たちが提案するのは、「見通しの良さ」を活かしたゾーニングです。

玄関から職員室が見える、あるいは園庭が見えることで、不審者の侵入を抑止しつつ、お迎えに来た保護者を温かく迎え入れることができます。


保育園 園庭














屋外エリアの効果的な利用|園庭と園舎のシームレスな連携


園庭は単なる「外の広場」ではなく、園舎と一体となった教育の場です。


① 室内外を繋ぐ「中間領域」

認定こども園・保育園・幼稚園の設計において、テラスやピロティなどの「中間ゾーン」は非常に重要な役割を果たします。


  • 準備と後片付けのゾーン: 屋外遊びの道具をすぐに取り出し、片付けられる外部倉庫を園庭に近接して配置します。


  • 天候に左右されない遊び: 深い軒下(ピロティ)を設けることで、雨の日でも外の空気を感じながら遊べる空間が生まれ、保育の幅が広がります。


② 屋外からの見守りゾーニング

園庭を職員がどこからでも監視できるよう、建物と園庭の関係性を緻密に設計します。

特に死角になりやすい植栽の裏や遊具の陰を減らすための、角度を計算したレイアウトをご提案します。



これからの園舎設計における「多機能ゾーニング」のご提案


これからの認定こども園・保育園の設計では、地域支援や一時預かりといった多角的な運営が求められます。


  • 地域開放ゾーンの独立性: 地域住民が利用する子育て相談室などを、園児の生活ゾーンを通らずに利用できる「端のゾーン」へ配置します。

    これにより、セキュリティを守りつつ地域に開かれた園を実現します。


  • 変化に対応する可変性: 将来的な定員変更やニーズの変化に合わせて、家具やパーテーションでゾーンの広さを変えられる「フレキシブルなゾーニング」を私たちはご提案しています。


ゾーニングを考慮した園舎設計 まとめ


適切なゾーニングは、認定こども園・保育園・幼稚園における「安全」と「効率」を物理的に支えるインフラです。

不必要な移動や混乱をデザインの力で解消し、職員が子ども一人ひとりと向き合う時間を1分でも長く創り出す。その結果として生まれる心のゆとりが、保育の質を向上させ、地域から「安心して預けられる園」として選ばれる理由になります。

私たちは、認定こども園・保育園・幼稚園の設計事務所として、先生方が輝き、子どもたちがのびのびと過ごせる、理想的なバランスの園舎を共につくり上げましょう。



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