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古い園舎で運営する幼稚園・保育園が抱える悩みとは

  • 執筆者の写真: estyleishii
    estyleishii
  • 4 日前
  • 読了時間: 6分
認定こども園 エントランス

少子化や保育需要の変化に対応しながら、長年地域に根ざして子どもたちを育ててきた幼稚園・保育園。

しかし、築30年、40年を超える園舎での運営に不安を感じている理事長先生、園長先生は少なくありません。



建物の老朽化は単なる「見た目の問題」ではなく、安全性や快適性、運営コスト、さらには園の印象や信頼にも関わる大きな課題です。

ここでは、実際に多くの園から寄せられる声をもとに、古い園舎が抱える主な悩みと、改善に向けた考え方を整理してみたいと思います。

目次

・建物・設備の老朽化による不安

・教育・保育環境としての使いにくさ

・職員の働きやすさと環境改善

・経営・資金面での悩み

法令・安全対応の複雑化

・園舎再生に向けた第一歩とは

・木造化によるコストダウン

・安心して使い続けられる園舎への道


建物・設備の老朽化による不安


古い園舎の最も大きな悩みは「建物の劣化」です。実際にお付き合いをしている法人様の園舎では、雨漏り、外壁のひび割れ、衛生設備の不具合、建具の開閉不良など、日々のメンテナンスでは追いつかない問題が次々と発生します。


とくに近年は、地震や火災に対する安全性が改めて問われており、「このままの構造で大丈夫なのか」「避難時の対応が適切にできるのか」といった不安の声が多く聞かれます。

開閉が困難な古いサッシをそのまま使用していて、避難時にこれは問題では?と思う施設も古い園舎では度々見られます。


また、築年数が古い建物では、空調・照明・給水設備の効率が悪く、電気代や水道代がかさむ傾向も問題です。さらに、換気設備や非常用照明など老朽化で、建築基準法第12条に基づく「定期報告検査」で毎年指摘を受けてしまう園も少なくありません。


教育・保育環境としての使いにくさ


古い園舎は、今の保育・教育スタイルに合っていない場合もあります。「園児数の増減に対応できない」「クラスごとの活動音が響く」「動線が複雑で職員が動きにくい」など、現場の声を反映できないまま改修を重ねてきた結果、かえって使いづらくなっていることもあります。

 

さらに、園舎の暗さ・寒さ・狭さが保護者の印象にも影響し、「見学時に競合するほかの園に比べて古く見える」「安全面が心配」といった理由で入園希望が減るケースもあります。教育内容がどれほど充実していても、建物の印象が集客に影響してしまうのが現実なのです。

 

職員の働きやすさと環境改善


子どもたちだけでなく、職員の労働環境改善も重要なテーマです。古い園舎では、休憩室や更衣室、トイレが狭く、冷暖房が効かないなどの悩みが多く聞かれます。

それ以外にも、収納スペースが少なく、それを補うため継ぎ足した既製品の家具がかえって作業効率が悪化している場合があります。


また、保育動線が長くなることで職員の負担が増え、結果的に働きづらい職場になってしまうこともあります。


近年は保育士等の人材確保が難しく、職員が快適に働ける環境づくりが園運営の安定に直結しています。小さな改修でも、バックヤードや動線改善や収納計画、空調の見直しなどで働きやすさは大きく変わります。


経営・資金面での悩み


老朽化が進んでいても、「建替えや大規模改修に踏み切れない」という園も多いでしょう。理由の多くは、資金計画の難しさです。建設費が高騰する中、補助金や助成金をうまく活用できるかが大きな鍵になります。


ただし、制度は年度ごとに変更があり、

「どの補助金が使えるのか分からない」「条件が複雑で申請まで進めない」といった声も少なくありません。


また、園を休止せずに工事を進めたい場合、仮設園舎の設置場所確保や工事工程計画にも工夫が必要です。運営を止めずに安全に改修を進めるには、設計段階から緻密な調整が欠かせません。


色彩を効果的に取り入れることで、子どもたちの心と頭の発達にプラスの影響を与え、学びの場をより魅力的なものにできます。


認定こども園 ランチルーム












法令・安全対応の複雑化


ここ数年で、建築基準法や消防法の改正が相次いでいます。たとえば令和7年(2025年)7月以降は、「常時閉鎖式防火戸」も定期報告検査の対象となるなど、保育施設でも法的に点検すべき範囲が拡大しています。

 

古い園舎では、そもそも建築確認図書や検査済証が残っていないケースもあり、「どの部分が既存不適格なのか」「どこまで改修すれば合法なのか」が分からず手を付けられないというご相談も増えています。


このような場合には、現存する図面等の整理を行い、現況調査・法適合性の確認を丁寧に行うことで、段階的に安全性を高めていく道筋を立てることが可能です。

 


園舎再生に向けた第一歩とは


古い園舎を建て替えるか、それとも改修で延命するか。多くの園がこの判断で悩まれます。

建替えは大きな投資になりますが、既存建物を調査して、構造を適切に活かしながら再生する「再生型改修(リノベーション)」も選択肢のひとつです。新築よりも環境負荷が少なく、補助金活用によってコストを抑えながら安全・快適な園舎づくりを実現できます。

まずは、

・建物の状態を正確に把握する(劣化診断・構造調査)

・法令上の位置づけを確認する(既存不適格・改修範囲)

・中長期の営繕計画を立てる(優先順位の整理)

 これらのことから始めるのが現実的です。

 


木造化によるコストダウン


園舎建て替えはイニシャルコストがかさみますが、場合によってはRC造やS造から木造化にすることによってかなりコストダウンが図れます。


ここで、ご紹介するのはコストの高い木造耐火建築物としない園舎の建設方法です。

都心部の防火地域や準防火地域では対応できませんが、園児が使用する保育室、教室等がすべて1階であれば耐火建築でない木造化にすることが可能です。

2階に職員室や収納のバックヤードを設けることにより、建設効率を上げコストを下げる手法です。


増築をする場合にもこの方法で対応することが可能です。

基本的には大断面の集成材を使用せず、ローコストな在来工法で対応します。

特殊な金物を使って面積の広い遊戯室やホールの大空間の施工も可能です。



安心して使い続けられる園舎への道


園舎は単なる建物ではなく、子どもたちの成長と保育者の想いを包み込む大切な空間です。たとえ古くても、計画的な維持管理と適切な改修を重ねることで、100年使い続けられる「長寿命化園舎」へと進化させることができます。


園児・職員・保護者・地域すべてに安心を届けるために、今ある園舎の価値を見直し、「次の世代に残せる園舎づくり」を始めてみませんか。


認定こども園 園庭











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e-styleでは、幼稚園・保育園・認定こども園などの老朽化園舎の調査・改修設計・法適合確認・補助金相談を幅広くサポートしています。

「どこから手をつければいいかわからない」「概算費用だけでも知りたい」など、初期段階のご相談もお気軽にお問い合わせください。




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