コストダウンは経済設計で!
- estyleishii
- 2022年2月16日
- 読了時間: 3分
更新日:12月4日

RC造や鉄骨造の建物を設計する際、柱と梁で構成するラーメン構造と呼ばれる比較的自由度の高い構法で設計することがほとんどです。
建設費の高騰が続くなか、最も効果的なコスト削減手法は、
仕上げや設備を削ることではなく「構造そのものを合理化すること」です。
RC造や鉄骨造の建物では、構造計画次第で総工費が数百万円単位で変わることも珍しくありません。
ここでは、2025年時点での最新動向を踏まえながら、 経済設計につながる「ムダのない構造計画」の考え方 を解説します。
まず押さえたい「ラーメン構造」の特徴
RC造・鉄骨造でもっとも一般的な「ラーメン構造」は、柱と梁で骨組みを形成します。
自由度が高い反面、プランが複雑になるほど柱・梁が増え、躯体量が増加してコストアップにつながるという特徴があります。
経済設計の基本は「形状の単純化」
・ムダを削ぎ落とすだけで大きな経済効果
動線が入り組んだり、凹凸が多いプランは、それだけで構造材が増えます。反対に、建物形状をシンプルに整えることで
・柱本数の削減
・梁スパンの整理
・躯体量の最適化
が行え、経済設計に直結します。
・柱を減らしすぎると逆効果
柱を少なくしたいあまりスパンを無理に伸ばすと、梁が大断面化し
・コンクリート
・型枠
・鉄筋
といったコストが急増する要素になる場合があります。
RC造なら壁式構造が経済的な選択肢になる場合も
定規模の建物であれば、柱・梁のない壁式RC造が有効です。
・構造がシンプル(上下階のプランが同一に近い)
・躯体量が抑えやすい
・階高を抑えることができる
・耐震性が高く揺れに強い
・工期短縮も期待できる
合理化を徹底したい場合、検討する価値がある構造形式です。
経済設計とは、ただ構造材を減らすのではなく、「最小限の部材で最大の効果」を得られるバランスを見極めることです。
2025年の建設環境で経済設計を実現するためのポイント
建設を取り巻く環境は年々変化し、構造計画にも影響を与えています。
高止まりする材料費
鉄骨・鉄筋・型枠材の価格高騰により、少しの躯体量増加が大きなコスト差になります。
設備スペース増加による複雑化
換気量の増加や設備仕様の高度化により、構造との干渉が起きやすくなっています。
設計初期から並行検討することで、ムダな梁・壁の追加を避けられます。
断熱性能の向上による壁厚の変化
外皮性能の引き上げに伴い、壁厚・荷重が増えるケースもあります。
構造設計との整合が、経済設計を進めるうえで不可欠です。
経済設計を実現するには「早い段階の見直し」が鍵
構造計画・スパン計画・形状整理が後回しになると、後戻りが難しくなり、ムダなコストが膨らみがちです。
経済設計を実現するなら、最初の段階で構造とプランを同時に整理することが最も効果的です。
まとめ
経済設計の本質は、安い材料を選ぶことではなく、建物の形状・構造を最適化し、ムダな躯体量を削ぎ落とすことにあります。
結果として少しの計画調整が、総工費を大きく左右します。
コストを抑えつつ、合理的でバランスの良い建物を実現したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。最適な経済設計をご提案いたします。


